青葉 2012-01-06 22:03:27 |
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「それに一色君。一色君に責任なんて取れないわ。生徒が責任をとるなんて余程のことじゃないとね。一色君はまだ子供なのよ。一人前に責任なんて言わないで。責任を取るのは大人。学校内のことならば何であれ生徒のことは教師が責任を取るのよ。」
それについては言ってる通りだと思う。僕はまだ子供だ。それは解るとして、いったい原先生は何者だろうか。ゼロなのに僕の母をモンスターペアレントじゃないかと怯える。その怯えから僕を家に帰そうと能力を使う。学校内の事件と向き合う姿勢と覚悟が日和とは全然違う。本当に日和の仲間なのだろうかと思う。考えてみればおかしい。原先生は今年に赴任してきたばかりだが、少なくとも雪見の事件の前からこの学校にいる。日和の仲間が事件前から学校にいるのは変だ。日和や原先生の仲間に予知の能力を持つ者がいて、事件を察知して予め原先生を潜入させたと考えることは出来る。しかし、どうもしっくりこない。そこまで出来るならば、事件自体を未然に防ぐことができるのではないか。それに、僕を犯人と疑うこともなかったのではないか。とにかく原先生は事件解決よりも、自分のことの為に能力を使っている様に感じてしまう。
「先生は山梨日和の仲間ですよね?」
僕は単刀直入に訊いてみた。すると、
「山梨日和と仲間?まさか!そんなわけないじゃない。やっぱり一色君は誤解しているわよ。」
と言って、日和と仲間であることをきっぱりと否定した。
「しかし、僕を屋上に誘って山梨日和と接触する機会を作ったのは先生ですよ。普通に考えれば仲間同士だと思いますよ。」
「だから、それは校長先生から、山梨日和の言うことをきくようにと頼まれちゃったから。校長先生から頼まれたということは命令ということ。仲間だから山梨日和の言うことを実行したわけじゃないんだって。」
「校長先生から直接に僕を屋上に行かせるよう指示されたわけではなく、山梨日和の言うことを聞くように校長先生から指示を受けたんですね。そして、山梨日和が僕を屋上に誘導するよう先生に指図した。ならば、校長先生が山梨日和と仲間ということですか?」
「それは、解らない。先生はただ校長先生に従っただけで、何にも聞いてないから。」
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