青葉 2012-01-06 22:03:27 |
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それはきっと新里が手強いからだろう。新里を消すのはきっと簡単にはいかない。ならば新里の協力者で新里の能力を増幅している雪見を消して新里を弱体化させてから新里を狙う。そう考えたのかもしれない。人を攻撃出来ない雪見を亡きものにしてまでも新里を何とかしなければならないと考える程に新里を危険な存在と日和達は捉えた。危険な新里に協力する雪見の犠牲はやむを得ないこととした。
あくまで仮説だが、そんな風にも考えられると思う。そうなると日和が僕に近づいてきた理由は何だろう。僕の能力は使いようによっては有用だ。何せ新里の危険な能力が効かないのだから。だから最大限に僕を利用しようとしているのだろうか。
とはいえど、僕は雪見爆死の件は新里を一番に疑っている。でも、引っ掛かっていることがないわけではない。新里は雪見を殺める理由がない。いや、殺めるのは自分を不利にすることだ。自分の首を絞めるようなことをするだろうか。そう思うからこそ、日和とその仲間が雪見を亡きものにしたという仮説を僕は考えてしまうのだろう。
とにかく日和とその仲間が雪見を亡きものにしたという仮説が正しいのならば、やはり新里はかなり手強いということになる。日和達に雪見を一度は葬られながら、見事に自分の能力増幅装置である雪見を意図も簡単に復活させたのだから。
三限目が終わり、雪見の教室に新里が既にいることを確認してから、僕はまた日和を探しに行った。今度は全ての三年生の教室の中に入り声を掛け易そうな顔を見つけては日和がクラスメートか訊いていった。
結論からいうと日和はどこのクラスにも所属していなかった。
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