黎貴 2011-11-25 19:32:29 |
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「何でっ!?葵!!!…急に…どうしてっ!?」
「茜…君も僕も、これ以上生きたって何の意味もないんだよだからさぁ!!…ハアハア」
「葵!!無理しちゃ駄目!!…ほら、もうそんなもの下ろして?」
「茜…、僕はもう止められない。一緒に死のうよ。二人だけの世界へ行こう。」
「何言ってるのよっ!?」
「茜…僕達が意味を持つ世界へ…行こうよっ!!!!」
ビュッ、と、ナイフが私の頬をかすめる。
私は咄嗟に瞑ってしまった目を開いて、精一杯に葵を見つめた。
「茜…茜ェ…どうして嫌がるの?一緒なんだよ?」
「葵……どうして、泣いてるの?」
私がそう言うと、葵の美形な顔が苦痛に歪んだ。
「茜……!!!!君が嫌がるからだよっ!!」
「やめて葵!!!!!もう帰ろう!?」
「茜ェ…君も僕も、お互いから逃げられない…さあ早くっ!」
「葵!息切れてるでしょ!!もう止めてよぉ!!!!!!」
「違うよ…、茜。君が倒れるのが待ち遠しくてね…」
一瞬、凄い寒気がした。
「ねぇ…葵…どういうこと…。」
声が震えて、尋ねたいのに語尾が上がらない。
「君が倒れたら、君を僕のものにする。」
「…………………!?」
どういう意味かは、一瞬で分かった。
状況に似合わず、葵も男の子だなぁ…とか、思ってしまった。
「茜、僕、ずっと我慢してたんだよ。」
「嘘でしょ!?そんな素振り、一度も…!」
「君の体を見る度に、僕は自分を抑えてた…腕を、切ってね。」
そう言いながら、葵は服の袖を捲った。
痛々しい傷跡が、月明かりに照らしだされた。
「葵!?嫌……っ、来ないで!?あっち行ってよぉおぉ………」
私は震える声で、必死に葵を拒絶した。
「来ない……で…?」
葵は驚いた様に立ち止まった。
「馬鹿だね…茜」
そう言って、葵は美しく妖しく笑った。
不覚にも胸が跳ね上がった。
「葵ぃい…お願い、止めて!」
「茜ェ…茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜茜ーーーーーーー!!!」
「いやああああああああ!」
「茜…茜っ!!!!!」
「きゃあああああああああああ」
「……あ…かね…僕も…行くから…」
「あお……い……?」
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[つづく!?☆]
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