黎貴 2011-11-25 19:32:29 |
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ガッッシャーーーン!!!!!!!!!!
普段は静かな研究室に、大きな音が響き渡った。
「っ!お前っ…!」
ソイツを見た瞬間、俺は絶句した。
クラスでも噂の、「自称男性恐怖症」女。
名前なんて知らない。興味も無かったからだ。
メガネがずれたソイツは、俺が誰だか分からないみたいだ。
周りの奴等が集まってくる。
俺は恥ずかしさを紛らわすためにも、つい………
「お前、何やってんだよ!!!ここがどこだか分かってんのか!!!!!」
と、怒鳴ってしまった。
ビックリしたのか、ソイツはただ震えるだけだった。
震えてるソイツを見て、俺は強い後悔に苛まれた。
だけど、言葉は止まっちゃくれなかった。
「出て行け、馬鹿!!何しに来たるだよクソッ!!!」
二度目の怒号が響いた。
周りの奴等は騒然としている。
俺はきまりがわるくなって、ソイツの横を黙って通り抜けた。
研究室から出て、俺は走った。
裏庭に辿り着いてやっと、自分の携帯を研究室に忘れて来たことに気付いた。
やっちまったな。。。
俺は何もかも諦めきって、倒れ込んだ。
頭が混乱していた。
あの女のことも、携帯のことも。
でも何より……………
見られちゃいけない研究を、途中で放り出して来たこと。
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