睡蓮の花言葉《〆》

『っ…はぁ……』

（夜の8時、今日やるべき分の仕事が終わり会社を後にして帰路についていた頃、ずっとパソコンと向き合っていた為少しだけ身体が硬くなって疲れている気がして。信号が赤色に変わり足を止めると、手を組み合わせてそのまま腕を上にあげ伸びをし小さく声を漏らす。そういえば昨日、一昨日と週に何回か足を運んでいるカフェバーに行っていないなと思い出し、なんだか家に帰って晩御飯を作る気にもならず今日はそのカフェバーに行って食事を済まそうかと考えると、一気に気分が上がってきて。今日は何を頼もうかといつも眺めているメニュー表を思い出し先程まで一歩が重かったはずなのに、今とやって軽い足取りになりその店へと歩き出し。）

『失礼します…』

（店の前まで辿り着くとゆっくりと店のドアを開けて中を覗き込む。よく通っている店なのに毎回どんなことを言いながら中に入っていけば良いのか未だに掴めず、学生が職員室に入るような口調で言葉を発する。店の中に入ると自身が開けたドアを出来るだけ音を立てないようにゆっくりと閉め、今日は『あの定員さん』は居るかなと思いながら店内を見渡し。）