匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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…そうか。好きにせい。ただ怪我はするな。面倒じゃ。
(彼女の微笑みを見てようやく冷静さを取り戻すと、いつものように人を見下したような表情で鼻で笑う。口ではこういったが、手伝わせる気など更々ない。彼女が眠った後にでも一人で片付けを済ませる。その方が安全だ。あの血を見てイナリは人間が脆いことを改めて再認識した。油断していた。こんなことを言えば大袈裟だと彼女は笑うだろうか。でもイナリは恐ろしくて仕方がない。これまで自分が気に入った人間はすぐにいなくなってしまったから。そこでようやく気付く。我はこの女子を気に入っているのか──ここまでイナリに物怖じしない人間は初めてだ。自分はそういう人間に会ったことがなかったから新鮮さ故に彼女を気に入ったのか。なんて呑気に自己分析をしながら彼女の方へ向き直る)
夜も更けた。お主はもう眠れ。夜更かしは万病の元じゃ。それでなくともお主は患いの身。人間は元々が脆くか弱い。まるで赤子じゃ。今のお主は赤子の中でも産まれた刹那の赤子じゃ。ちょっとの外圧で傷が付く。
(標準語に訳すると『病気なのだから体調のためにもう寝なさい』になる。彼なりに一応は気遣って言葉を紡ぐ。ただし一々尊大な物言いをしなければ死ぬ病にでも掛かってるのかと疑いたくなる位に素直に言わない。彼女の皮肉ったらしいという評は全くもって正鵠を得ているが、当の本人は褒め言葉だと受け取っている節があるから厄介だ)
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