匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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(荷物が散乱していようと少しばかり気を付ければ抜けられるものだと思っていたし、実際そうだった。しかし、普段着慣れていない小袖を着ているだけでもどうも狭いところでの身動きがしづらく、壺を割った後も資料の山を崩したり、踏みそうになったりと散々だった。おまけに大昔の道具や資料が残っている為、そこに興味が移りだしついつい台所までの短い距離で寄り道ばかりをしてしまう。
ふと入口の方から声を掛けられると、ちょうどこの社務所の地図なんかが記された冊子を見つけて拾い上げた頃だった。)
……面白いものがたくさんあってつい。というか、掃除しなきゃ駄目ね。
…あと、ごめんなさい。そこの壺を割ってしまったの。
( すぐさま手にしていた冊子を近くへ放ると、肩を竦めつつ言い訳を。そして、先程壊してしまった破片の山を指差すと、先程切ってしまった指先はさっと背の後ろに隠した。ただでさえ情けない姿を見せてばかりだし、次は怪我をしたなんて知られたらまた呆れられるだけだと思ったらしい。
そこまで言うと、やっとのこと土間まで辿り着き、彼の言う言っていた調味料や食材の入った壺はどれだろうかと辺りを見渡す。)
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