匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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( 九つの尻尾に囲まれ身動きを封じられると、鋭い爪や牙にさっと視線を逸らし。しかし、直ぐに解放され彼の冗談だったと知ると、静かに息を吐いてまた視線を戻した。一見すると相変わらず涼し気な顔をしていたかもしれないが、内心驚いていた。彼が人を食べる訳は無いと思ってはいたが、爪や牙が迫ってくると本能的に恐怖感を煽られるのだろうか。)
……社務所の奥ね、分かった。
少し覗いてくるわ。また料理を始める時にお願いするわね。
(台所の場所や勝手を聞くと素直に頷き、一度どんなものか見てこようと考える。料理は人並みにできると自負はしているが、彼の言うとおり現代の台所とは大分違うだろうし、何かあれば再度彼に確認しようと思う。
それからまた一人で散策がてら社務所に向かえば、言われた通り奥の方へと進んでいく。その時、着物の袖が散乱していた荷物の山にぶつかってしまったらしく、近くにあった小さな壺が落下し割れてしまった。慌ててしゃがみこみ壺の欠片を集めていると、指先からピリッとした痛みが走る。みてみると、鋭く尖った破片の先端が刺さってしまったらしく、痛みと反比例して鮮血だけが垂れていて。
そのまま破片を1箇所に集めてゆっくり立ち上がると、掃除道具も借りなければ、なんて呑気に思っていて。)
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