匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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…我は妖ぞ。人間と同じものを喰っていると思うか?我が喰っているのは…
(すくっと起き上がるとゆっくりと彼女に近付く。その眼光は鋭く、彼女の瞳だけを捉えている。瞬間、九つの尻尾を巧みに使い、彼女を動きを封じる。後ろ足で立ち上がると鋭く長い爪を彼女の肩へ置き、まるで刀のように尖った牙をその首筋へ──)
…なんてな。我は永く人と共に生きてきた故、人と同じものを食える。外に出たのなら分かったと思うが、本殿より出て左に社務所がある。中は散らかっているが奥が土間になっていてな。そこが台所じゃ。お主が使っている台所とは、ちと違う故、注意せよ。食材や調味料などは壺に入っている物を使え。それと飯を作る時は我を呼べ。火を起こす手間を省いてやるでな。
(首筋に牙を立てる寸前で、ふっと口角を上げると何事も無かったかのように質問に答える。彼女を解放すると繧繝縁の上に戻り、再び丸くなる。一方的に此方が揶揄われているみたいで癪だったので此方からもちょっとした"冗談"を。イナリは人間を捕食対象とする類の趣味は無いが、できないことは無い。幼い頃に一度だけ食べさせられたことがあるが、とてもイナリの口には合わなかった。口にした途端に迫り来る嘔吐で苦しみ、一週間は水しか喉を通らなかった。おかげで周りの妖からは変わり者のレッテルを貼られたが)
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