匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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…次、我に「せくしゃるはらすめんと」をしたら祟ってやるからの。将門も道真も崇徳院も真っ青になる程の祟りじゃぞ
(九つの尻尾を大きく広げて凄んでみせる。実際のところイナリには祟りを起こせるほど抱えている恨みはないのだが。一応凄んでみせたがきっと彼女にはノーダメージだろうなと思い、すぐに辞める。此方が禁忌に触れる寸前だったというのに当の本人は涼しい顔で小説を読み耽っている。何も知らないとはめでたいことだと少し口角を上げる。イナリの感情をここまで振り回すとは並の人間ではない。まさに罪人だ。まさか……彼女は本当は人間ではなく妖なのではないか。イナリよりも上級の位を持つ妖が人間に変化し、イナリを惑わそうとしているのではないか。そんな邪推をしてしまう。まだイナリが幼く下級の妖だった頃、よく他の狐妖怪に化かされて揶揄われたものだ。あの頃の仲間はもうこの地にはいないが、今でも時々別の妖の気配を感じることがある。一瞬、お主は本当に人間か、なんて尋ねそうになったが冷静に考えて非現実的過ぎるので黙っておく。クシクシと手──今の場合は前足だが──顔の辺りを毛繕いすると大きな欠伸を一つ。繧繝縁の上で丸くなると遠目からは普通の狐にしか見えないだろう。暫く丸くなったままでぼーっとしていたが、もう一つ大きな欠伸をすると目を閉じながら彼女に告げる)
我は眠る。体調が悪うなったら遠慮なく起こせ。ぽっくり逝かれても迷惑じゃからな…。
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