匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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(些か彼女の目に輝きができたのを確認すると、変化を解き、ふんと鼻を鳴らしながら高らかに言う。人間を化かして驚かせるのは妖の中でも狐、狸や一部の猫妖怪の特権だ。イナリは特権という言葉が好きだった。人間であっても妖であっても特権を持つ者は優遇され、権威として尊敬される。イナリはあまり誰かに褒められたことが無かったから尚更上を目指した。そして他の追随を許さない程に精巧な変化を得られた。イナリが心から自慢できる数少ない取り柄だった)
お主の看病ごとき眠っていてもできるわ。手間なぞ感じん。それにこの我が看病してやったのだから治るのは当然じゃ。
じゃが…些か疲れたな。湯に浸かって眠るとする。
(礼を述べられると満更でもない表情を浮かべながら、尊大な態度を全面に出す。折角話し相手ができて退屈しなくて済んだのに、熱に侵されていてはまたぞろ退屈になってしまう。これはイナリの本音だった。何だかんだ言えどイナリは人間が好きだ。だから彼女の訪問も十分に歓迎している。直接口に出さないだけで。とはいえいつもは大した活動もせずに一日を終わらせているので、久しぶりに今日は疲れたというのも本音で。大きく息を吐くとぐいっと伸びをする)
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