匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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(陳列していた飴の全種類をカゴに入れる様子を見て、可笑しそうにくすりと笑ってみせると、同時に油揚げが好きというのは迷信では無かったかと安堵する。カゴにたくさん入った油揚げも飴玉も無駄にはならないようだ。
いつか洋菓子も勧めてみようかなんて考えながら、レジへ向かう途中でふと彼の顔を見た。その表情は先程よりも固く、殺伐とした雰囲気でレジへ近づいていく姿に、そっと小さく声をかける。)
……カゴを渡して、案内されるまでは待っていればいいわ。精算機の事は私が説明するし、大丈夫よ。そんな顔してたら、店員さんも怯えちゃうわ。
(そう言って握っていた腕を優しくポンポンと叩き、レジの列へと並ぶ。レジでは店員が商品のバーコードを読み取り、テキパキと慣れた手つきで別のカゴへと次々商品を並べていく。袋を貰うよう隣で助言をしながら店員の動きを眺めていると、あっという間にバーコードのスキャンを終え、傍に設置された自動精算機へ案内される。
尚も彼の腕に掴まったまま、ゆっくりと1つずつ操作手順を説明しながら彼が液晶画面を操作する様子を見守っておく。すると、ふと、いつかの仕事帰りにこうして操作方法を教えていた頃をまたも思い出した。あの時の彼の顔は覚えていないが…確か、こんな顔だった…?──気が付くとじっと彼の顔を見あげていて、呟きを一つ。)
…あの時…あれは、イナリ様だったの?
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