林檎の園(〆)

林檎の園(〆)

掲示板ファンさん  2023-10-09 19:52:48 
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二人だけの禁断の楽園─

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  • No.38 by 羽賀 千秋  2023-10-25 22:49:18 


(千秋くんの冷ややかな目線で誰かが救えて良かったです!!大丈夫だって!!安心して千秋くん!!()ですねえ…仮に知ってても「ああ、あの変な人」くらいの認識しかないでしょうし…あ、千秋くんのお姉さんのアーティスト名は"茜姫"です()良いですよね…クールな子が家族の前では人並みに笑ったり冗談言ったりするの…お姉さんも「ちーはホントに素直じゃないなあ」みたいに笑い飛ばしたりしてるんです…!姉弟愛ですよ姉弟愛!!)

(ごゆっくりどうぞ、と去っていく店員を横目で見送りながらバゲットを口に運ぶ。─友人が何故か自信満々に言っていた通り、確かに美味しいと評するに相応しい料理だ。満悦を秘めた無言のまま、黙々とバゲットを千切り、ソースを掬い上げるようにして只管口へと運び続けていた。三分の一程を胃の中へ流し込んだ後、付け合わせのオニオンスープに手を伸ばした所で、同じく黙々と、子供のようにいそいそと料理を食べていた目の前の彼が自身に話を振ってくる。その声は春風のように軽く明朗で、先程の痛切な色など何処にも見当たらず、あれは自身の勘違いだったのだろうか、と頭の片隅でぼんやりとそう思考した。内容はどうやら先程の本、"きのうの影踏み"についてらしい。─別に、自身はミステリやホラーが特段好きという訳では無い。暖かな湯気を立てるスープを一口啜ってから、「…好き、という訳では。比較的読みやすいジャンル、というだけですよ」と率直に答えた。そして、暫く後。自身のバゲットサンドが漸く三分の二程に減ったかと思えば、彼の目の前の料理はすっかり消費され、料理の皿よりも空き皿が目立っている。ふと聞こえてきた"彼一人なら"行きたい場所へ行く、という呟きに─自身が彼に着いて行くことは前提なのか、と内心呆れたものの、表面的には出さないまま、普段は何をしているのか、といった旨の彼の問い掛けに「…暇な時、ですか。基本的にはゼミの予習を。時々、時間があれば図書館や…近くのギャラリーに行く程度ですね」と記憶の糸を手繰り寄せながらそう答え)

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