掲示板ファンさん 2023-09-16 14:07:27 |
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(自身以外の運転する愛車に乗るのはどことなく新鮮で、機関に到着するまで普段よりゆっくりと流れていく景色に目を向けていた。機関に到着し、愛車を降りると相棒の後を追ってロビーに入る。医務室、と呟く相棒に「うえ~…この怪我って絶対怒られるじゃんか」と表情を歪めるものの、管理室にこの状態で報告に行くよりは医務室で、あの─どこかハムスターやリスのような小動物に似た雰囲気の、若い医療班長に叱り飛ばされる方がマシだと考えたらしい。すぐにま、いっか、といつもの笑顔で声を上げ、気分を切り替えてさっさと医務室へ向かっていく。固定してあるとは言え簡易、歩く度にズレそうになる月光をもう片方の手で支えつつ、医務室の扉を叩いた。医務室の中からどうぞ、という声が聞こえ、扉を開くと中に居た医療班長が今日は何処を怪我したんですか、と言いながら自身たちの方をくるりと振り向く。固定された自身の腕を目にした途端、血相を変えて自身に詰め寄るとこれ折れてるじゃないですか、や何処でこんな怪我してきたんですか、と捲し立てるように騒ぎ始めた。耳タコものの言葉をすみませ~ん、と適当に流していると、彼女は自身を無理矢理椅子に座らせて手当てするので大人しくしててくださいよ、と睨みを効かせて眉を顰めながら包帯やら何やらを棚から取り出してくる。そうして戻って来るとまずは適当な添え木─月光を取り外して包帯を解き、応急処置のしてある腕に手を翳して異能を使用する。薄緑の暖かな光が自身の腕を包み、痛みが少しずつではあるが和らいできた。空いている方の片手で腕用ギプスを持ってきた所で、ようやく自身以外の存在に気付いたらしく、入り口辺りに立っている相棒へ視線を投げる。彼女は軽く会釈をすると、送り届けて頂いてありがとうございます、管理室には私から報告しておくのでアーネストさんはお先に向かっていただいて大丈夫ですよ、と微笑んで)
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