掲示板ファンさん 2023-09-16 14:07:27 |
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( 触れてくるそれに眉が跳ね動いたが、特に抵抗も逃げもしない。相棒の指は今度は明確に、耳から耳朶へ、そして血の気が殆ど無い頬へと――それを受ける温度の低い肌は、滑っていく道筋が感覚で解る程に彼の熱を暫し残して、「“これ”は貴様の所為ではない。私が自らの判断で起こした行動の結果だ。」その熱の軌跡が消えて直ぐ、開いた口からは彼の柔らかい詫びをぶっきらぼうに、だが普段よりも緩やかにはね除ける。「…それに、これでも昔より随分、私の身体には余裕が出来ている。造血剤を打つ頻度も格段に減った。」そのついで。空の片手を持ち上げつつ首を軽く俯け、髪や衣類に埋もれた項、正確には頚椎の辺りを人差し指で二度とんとんと叩き、注射を示す仕草と共に加えたのは、「……全て貴様と組んでから、の話だ。」己と仕事の負担を分けたが故に生じた、相棒ならではの功名。「…つまり。貴様の今までの功労と私の此度の行動は、十二分に対価が吊り合っている。だから、そう勝手に落ち込んだり謝られたりするのは、私にとっては筋違いも甚だしい。」更に続いたのは、淡々としているのに遠回しな、“いつも助けられているから、この程度の事は気にするな”、そう素直に言えば済む筈のフォロー。そこまで終わった所で口腔と喉を珈琲で湿らせた後、問い掛けの返事を聞けば、「別に心配、などは…」文句の一つでも飛んでくるかと思いきや、かえって礼を言われた僅かな動揺で口許が一文字に歪む。咄嗟にそれを否定に折りかけて、「……いや。貴様へ損得抜きの情があるのは、とっくに知られていたな。」しかし既に漏洩している事項に何を言っても改訂を成せない事に気付き、あの縫いぐるみへの忌々しさとこの場の諦めを綯い混ぜにした溜め息を吐き出した。その若干の気まずさに探究の色を少し引っ込めながらも、また彼を暫し眺める。――柔らかな笑み、秘めやかさを纏う空気、口に放るチョコよりも濃厚な甘さを含む眼差し。「……そういう顔は、口説き相手にでも向ければ良いものを。」沈黙を破り、顰めたままの顔付きでポツリ溢れた言葉は何の色も含まない、ただシンプルな観察した末の感想。「蛇に宝玉を与えた所で、それが返すものなど手痛い毒だけだろう。」猫に小判、豚に真珠。そんなニュアンスで、己にざわざわとした心地を与えるそれの位置付けを喩え、もぞ、と縮こまるように微かに身動ぎ目を泳がせたその後。――無性に、その表情を崩したくなる衝動に駆られて。今以て氷のように白く凍てる指先で彼の額でも弾いてやらんと、まだ五指を弛く開いたままの手を相棒の方へと伸ばして )
(/ よーし良いですね!!アーネスト落ち着かなすぎて思わず変な行動取り始めてますね!()防ぐも受けるも主様とイヴさんのご自由にどうぞ!!() )
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