あっ、…かえしてください。 ( 唐突に手元にあった筈の盃を取られると、思わず一声上げる。主人の手中に収まってしまったそれに視線を落とせば、次第に顔は不機嫌そうなものへと変わり。頬を膨らませ上目で睨み付けてはいるものの、どうにも覇気のない表情。親切にも酒ではない飲み物を探してくれている彼の努力など目もくれず、再び自身の盃を取り戻そうと距離を詰めれば手短に催促を。 )