My Dear…(〆)

では、始めたいのですが出会いの場面からで大丈夫でしょうか？

大丈夫です

…ジーザス。
(私服に着替えて家でだらけるお気楽な休日、シャワー中の急な電話で上司から呼び出されたかと思えば探偵と組んで事件の調査をしろとのお達し。これは思わず普段信じてない神にも祈りたくなるってものだー俺は大人だからふざけるな、と言いたい気持ちをぐっと抑え込んで笑顔を作り、次の言葉を上司とその「探偵さん」とやらに「…クリス・K・遊間です。よろしく。」とわざわざご丁寧に片手まで差し出しながら投げかけてやる。これで断られたら一発くらい上司の顔を殴ったって文句は言われないだろう。)

……あーよろしく。なんて呼べばいい？クリス？遊間？珍しい名前だね
（急に頼まれ、報酬は弾むからどうか…と警察の中でも上の人に言われて警察署にやってくると名乗って片手を差し出してきた相手に軽く握手をしてからすぐに離す。じっと目を見ると、相手はどうやらシャワーに入っていたのに呼び出されたそう…可哀想に、と少し思いながらどう呼べばいいか尋ねて）

…ハーフなもので。呼び方はお好きに。
(どうやら「探偵さん」は多少話が分かる人間らしい。すぐに手を離したそいつの質問に肩を竦め、適当に答えながらどさくさに紛れて笑顔のまま上司を思いっ切り睨んでやる。上司は一瞬怯んだように見えたが、すぐに目を逸らしやがるー全く、ろくでもない上司を持っちまったもんだ。気を抜くと止めどなく流れる愚痴に蓋をして「ところで、貴方は？探偵だとお聞きしましたが。」と名前を問いかけて)

僕はオリヴァー・エリオット、好きに呼んでいいよ、遊間
（どさくさに紛れて相手が警察の上の人を睨むと、少し臆した気配を感じて少しだけ笑ってしまう。大した事ない上の命令に従わないといけないなんて苦労しているだろうな。と思いながら椅子から立ち上がると名前を告げる。おそらく彼は、結構使えるのかな…と思いながら好きに呼ぶと言いと言えば彼の上の警察が調査してほしいと言った事件の紙を渡し「それが今回この人から頼まれた事件の詳細」と言って）

よろしく、ミスタ・オリヴァー。
(我ながら百点の営業スマイルで「探偵さん」から紙を受け取り、さっとそれに目を通す。概要は如何にもありがちで低予算のチープなオカルトじみたもので、思わずくだらないと言いかけるが抑え込んで内容を脳内で整理して「オーケー、すぐに向かいましょうか。」と提案してみせ)

えぇ、行きましょうか…
君の能力、中々面白いんだね。自分の体を紙に変えられるなんて、切ったらどうなるんですか？
（低予算だが、それでもないよりはマシだと思って今回は引き受けたが、今回一緒に任務に行く彼は少し面白そうな能力を持っているようだ。どうしても、知りたい欲が出ていろいろ質問してしまったが「失礼、色々聞くのは不躾ですね」と謝りながらついて行って）

さあ…検討も付きませんね。
(興味を持たれるのは満更でもねえ。歩きながら振り向いてファンサービス感覚で能力を発動させ、「探偵さん」に指先を紙にして見せてやる。「怪我したら嫌ですし、切らないでくださいよ？」一応は念押しして能力を解除したところで紙に書いてある現場まで着いたらしい、周囲を見回しても普通の光景で)

……主婦、学生、無職…商人…
（能力を見せてもらい、細いところに入れるのかもな…と思いながらついた現場に行く。その現場の近くを通る人と目が合うとその人物の職業をつぶやくものの特にはいいものは出ず。がっかりしたように肩を落とすと「で、どんな事件が起こったんでしたっけ」と尋ねて）

…資料によると…真夏の日に被害者が凍死した事件ですね。
（紙に目を通すと趣味の悪い氷細工の写真が目に飛び込んでくる。ちらっと見ただけで数日はメシが食えなくなりそうなそれを出来るだけ見ないようにしつつ、「恐らく氷結系の能力者だとは思いますがね。」周りを見回してもそれらしいヤツはいない。ただのオカルトじゃないのか、と口から飛び出しかけた言葉を抑えて周囲を探し）

……氷結…
（小さく呟くと周りを見渡し、目を合わせる人々の能力をみると一人だけガラの悪そうな男と一瞬目があった瞬間に氷結の能力を持っていることと前科があることを確認して、理由は何も言わずに相手の腕を掴んで「十字架ピアスのアイツ、犯人かも」と言って指を指して）

…はい？
（急に腕を引かれて思わず文句を言いかけるが、その後に「探偵さん」が続けた言葉に文句も引っ込んだ。コイツがどんな能力かは知らない、だが上が組ませたんなら着いていく価値はあるだろう。「追ってみます。」右腕を紙に変え、目の前を通り過ぎたソイツを目掛けて追わせて）

……成る程、そういう使い方ですか
（少し目を輝かせながらも追いかけて行くと、振り返った相手と目が合うと、名前も見えて「アダム・ジョーンズ、24歳」と相手に聞こえるか分からないほどの声で呟きながら見失わないように追いかけて）

…
(ああ、成程。この「探偵さん」は随分ノゾキにピッタリな能力を持っていらっしゃるらしい。環境が違えば優秀なノゾキ魔だな、なんて感想を心の中で漏らしながら分離させた右腕を操作し、元の形に戻してからラリアットの要領で逃げた野郎の首を打ち付けてやる。首に当たった感触と倒れる音、右腕を呼び戻してから倒れるソイツを見下し、警察手帳を見せつけてやった。「警察です。少しお話を伺っても？」ソイツはまだ暴れようとしやがったから、思いっ切り足を踏みつけてやると情けない悲鳴を上げて静かになった)

素晴らしいです、あとは其方でお任せですかね
（多分バレたかもなぁと思いながらも、秘密にしているわけではないから良いか、と思いながら見下している相手にここからは本職に、と言いながらお金ももらわないと、と思い早速戻ることを提案して）

…さ、行きましょうか？
(返事の代わりに軽く手を上げて答え、まだ情けない呻き声を上げているソイツの腕を掴んで無理矢理立たせる。半ば引きずるようにしてソイツを連れていきながら歩いているとソイツが能力を発動しようとしやがったので鼻っ面に拳を一発食らわせてやる。鼻血を出したソイツはまた情けない悲鳴を上げて沈黙し、それっきり抵抗も何もしなくなった。たかが一発殴られたくらいで情けねえ男だ。取調室にブチ込み、血が付いた手をハンカチで拭う)

うわ…強烈なパンチをお持ちで
（ハンカチが血で染まるのを見ながら相手の上司にお金をもらいながら取調室にぶち込まれた犯人を見てから「じゃ、仕事分はしたので、もしまた手が必要ならここまで」と言って名刺を渡すと帰ろうと思って手を振ると相手の上司がペコペコと頭を下げるのを少しだけ憐れんだように見て）

…ほお、もういっぺん言ってみろよ。
(「探偵さん」を見送って一安心、息苦しいネクタイを緩め、取調室の机に脚を乗せて組む。鼻血を流しているソイツに恨めしげに睨まれて国家の犬め、と罵られた時には考えるより先に手が出ていた。ソイツの一回殴った鼻から何かが砕ける嫌な音が鳴るー骨が折れたか。まあいい、どうせ責任を取るのは上司だ。今度は悲鳴も上げられないらしいソイツの胸倉を掴み、揺さぶってやるとあっさり犯行を吐いた。拍子抜けな感じを心に押し留めながら入ってきた他の連中にソイツを引き渡して自分のデスクに戻る)

あぁ、いうてそんなにお金にならないなぁ…めんど
（自身の事務所兼自宅に戻る道中にお金を見るもののそう呟き、自分の食料でも買おうと思って色々買っている最中も嫌でも人と目が合うため色々と眺めていると「そういえばあの犯人なんであんなことしたんだろうなぁ…」と思いながらパンを購入するとそれを食べながら歩いて）