真夜中のピエロさん 2022-08-04 18:44:32 |
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……いいえ、僕は何も。
(両肩を抑え込んだ別のシスターに手ひどく殴られていた子のことを何か知らないか、と問われた美しい少年は瞳を伏せたまま首を横に振る。シスターは悲しそうな表情を浮かべたままではあったが、彼の言葉に頷くと「それならいいの」と少年の部屋を立ち去っていく。少年は一人残されると赤いブックカバーの掛けられた洋書を開き、静かに頁を捲っていたがすぐに取り巻きの少年少女たちが部屋に入ってきては彼に群がる。彼は相手をするでもなく静かに洋書へと視線を落としていて)
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