検索 2022-07-09 20:46:55 |
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うん!……あれが切り札…………あっ!!
(先程まで不安や恐怖に塗りつぶされていた心はすっかりそれらが消えて今は相手と共にこの街を守りたいという強い思いに溢れている。相手が探偵と認めてくれて相棒と呼んでくれるならそれに相応しくありたい。そこに大切な、という言葉もつけば今までに経験したことのない嬉しさが胸に溢れていた。すっかり元気を取り戻した声で頷くと最後にギュッと抱きしめられてこちらからも強く抱きしめる、自分にとってももう相手は大切な存在だった。体を離してから相手と共に壁画を見上げる。ひとりで見た時はその神秘具合に圧倒されるだけだったが相手が読みといた古語を合わせれば遥か昔の戦いと、そしてきっと今回の戦いで鍵を握るのはあの紫色の切り札ということになる。改めて鬼の手の中にある切り札を見つめる、どうやら持っているものは円形状だ。続いて自分には読み解けなかった古語の方をみると、その最後に何やら紋様のようなものが添えられていた。それらはどこかで見覚えがあってゆっくりと首を傾けながらじっと見つめる、そしてそれらが頭のなかで結びつくと声をあげた。服の中をゴソゴソと探ると「ばあちゃんから母さんの形見って言われてた奴が…」と記憶を辿りながら服の下で首から下げていた小さな巾着袋を取り出す。巾着袋を開いて中身を取り出すと再び声をあげた。そこには手の中に収まる小さな青銅鏡のようなものが入っていて、縁には古語の横にあった紋様が刻まれているが色は紫ではない。しかし自分にとって驚きだったのはそこではなく「フィリップ、これ二つに割れてたはずなのにくっついてる…」と相手にそれを見せながら自分の記憶との相違を伝えて)
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