検索 2022-07-09 20:46:55 |
![]() |
通報 |
……そうだよな。……うん…
(将来の自分が相手に影響を与えてこの街を好きになって、その事を知らされた自分がやはりこの街を守らなければと今勇気付けられている。深く考えれば頭がこんがらがってしまいそうだが今は相手から励まされているという事実だけあればそれでいい。森の前にやってくれば嫌でも体は固まってしまう、しかし相手から手を強く握られれば自分でも驚くほど過剰な緊張は解けていく。離れないように言われればそれに大人しく従って相手の後ろに隠れるようにピタリとついて森の中を歩いた。もう二度と訪れたくないと思った場所なのに相手とならば一緒に来れてしまっている。隠れながら見上げるその背中は大きくて足を前へ踏み出す勇気になってる。友達も仲のいい街の人もたくさんいるが誰かを頼ればいいなんて教えてくれる人はいなかった。相手は将来自分と相棒になるらしいが、将来の自分にもそう言ってくれるのだろうかとその背中を見つめながら考えを巡らせていた。ひんやりと冷たい森の中を進めばやがて小さな祠が見えてくる、相手に問われて頷き答えれば傍をピタリと離れないようにしながらも祠の裏手に回った。誰も来ない場所にある誰も立ち寄ることがなさそうな祠、その裏手はすぐ岩の壁がせりたっているが、その地下へと続く階段が祠に隠れるようにして存在していた。「…この下だ」と震えそうな声で言えば階段を相手と共にゆっくりとおりる、やがて僅かに日が差し込む少し広い空間へと出れば壁の方を指さした。そこには遥か昔にこの地で起こった鬼退治の様子が描かれていて)
トピック検索 |