検索 2022-07-09 20:46:55 |
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ぁ、ンッ、んッ!…っ、こ、んなの……ひ、んッ…わすれ、られねぇ、よッ……んンッ!
(こちらが文句混じりの言葉を口にしても相手は笑って耳元に口付けるだけで、好きなように翻弄されているのにそんな刺激でさえ脳を甘く揺らして心地良い混沌に苛まれる。桜の泡の下に見え隠れする肌は熱に染まり真っ赤に上気していて周囲の香りをより一層濃くしていた。桜餅が食べられなくなると言っていたあの時がもはや遠くに感じる、今や桜の香りは二人で花見を楽しみ花びらに埋もれながら寄り添い浴室で羞恥に苛まれながら相手と乱れる今の記憶が深く強く結びついてしまっている。それこそ桜の香りがこの体を否応なく昂らせる媚薬のようなものになってしまいそうだ。それは相手も百も承知のようでさらに言葉によって深く深く本能へと刻み込まれていく、限りなく背徳的でしかし甘美なマーキング。罪深い痕だとしても相手から与えられるものならそれはこの上なく嬉しいものだ、もうこの先一生桜の香りと相手の存在とを切り離して考えることは不可能だろう。相手の手は瀬戸際を撫でるのを止めなくて開けっ放しの口から喘ぎ声は止まらない、返事をするにしても今喋っているのか啼いているのか、自分でも分からなくなっていた。しかし激しく甘い刺激が突然ピタリと止む、刺激を与えられすぎた体は触られもしないのに震えっぱなしで吐く息は乱れたままだ。そんな中で理性の皮一枚だけで繋がった蕩けきった瞳で最後を望まれると、それだけで期待が煽られ体が跳ねる。だがこちらも望みは同じだ。今日の相手はこちらが望む分だけくれる、それならばこちらの望みを伝えるだけだ。縋り付いたままの腕に力を込めると「あぁ…俺の、ぜんぶ…お前に、…フィリップにあげたい…ぜんぶ、もらってほしい」と荒い息と共に最後の望みをつげれば、こちらを縋るように見つめる顔に短い口付けをリップ音と共に送って)
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