イニール 2022-01-26 01:00:51 ID:0ee18fced |
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>イールトルートさん
「君の好みに合うかはわからないがね。ま、不快ならただちにやめてそこの窓から飛び降りるよ。」
振り返ってそう告げながら、彼は慣れた手つきで空中の鍵盤を押し下げる。
すると弦もハンマーも響板もないというのに、ポーーー・・・・・・と間延びした音が響いた。
悪魔の炎から飛び出したとは思えない程その音色は澄み渡り、静寂に広がる波紋のようだった。
(よし、こっちでも問題なく使える。)
テストは終わった。次は演奏だ。
最初一音一音試すように鳴らしていたのもつかのま。はやくも音と音は繋がり合い旋律へと昇華し、繰り返される三連符は淡々としながらも神秘的で厳かな世界を室内に満たしつつあった。
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