イニール 2022-01-26 01:00:51 ID:0ee18fced |
通報 |
>イールトルートさん
「いや、色々教えてもらって助かるよ。なにせ来たばかりで右も左もわからないものでね。」
「はじめてのおともだちつくり」の首尾は上々のようだ。
こちらに来てから話し相手と言えば役人と不動産屋と頭が3つと腕が6本で全身の肌が緑色の角生えて火を噴く1つ目の酔っ払いくらい。
初めての友好的話し相手を前に、悪魔の笑顔(らしき表情)はより一層強くなる。
歯の代わりに業火を覗かせて、ピアノマンは言う。
「僕は、まぁ、なんだ。悪魔だ。君も天使ならどっかしらで見たことあるだろう。
最近ではポリティカル・コレクトネスの観点から魔人とか有魔人種の方々とか、悪を平仮名にして「あく魔の方々」みたいな民族・人種に配慮した呼ばれ方もされてるがね。まぁ僕はどう呼ばれようと構わないよ。」
(僕は悪魔、いつ言っても間抜けな響きだ。)
饒舌にくっちゃべりながら、男は心の中で悪態をつく。
「君はここに詳しいようだね。もっと話聞かせてほしいな。
立ち話もなんだし、中でコーヒーでもどうだい。家具もなにも揃ってないが、食器と食料とインスタントコーヒーだけは調達しておいたんだ。」
種族としての本能か、話せる相手ができた喜びか、未知の世界への知的好奇心か。
なかばまくし立てるように、業火の悪魔が天使を誘う。
トピック検索 |