刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 静かに手を合わせ祈りを捧げる相手を一瞥する。その表情に今は後悔や苦しみは見られず穏やかなもののように思え安堵が胸に落ちた。再び墓石と向き合い瞳を閉じれば野薔薇の優しい香りや、小鳥の囀り、頬を撫でる風の柔らかさが鮮明に感じられて切なさを感じる場所の筈なのに不思議と温かな気持ちになるのだ。相手も、少しでもそうであったらいい。__静かに瞳を開け視線をまた隣の相手に。妹とどんな話をしているのだろうか。きっと一番初めに来るのが遅れてしまった謝罪をして、もしかしたら日々の生活の中にあった他愛無い出来事を共有したりしているかもしれない。今だけは、この場所でだけは、何もかもの苦しみから一番遠い所に相手の心が在って欲しいと、そう思わずには居られないのだ )
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