刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 涙で濡れ仄かに赤みを帯びた目元を親指の腹で優しく撫でながら、相手の手の中にある形見の腕時計を一瞥する。既に壊れ秒針を刻む事の無いそれは無機質な物の筈なのに酷く優しい温かさを放つ様に思えて、強い強い想いのある人の魂は物にも宿り、その人を静かに護り寄り添う様な、そんな事が本当にあるような気持ちになるのだ。「__言いたい事ある?」何度も何度も喉元まで出掛かった、音として訴えたかった事が、それでも懸命に飲み込み抱え込んだ言葉と気持ちが、膨れ上がり今にも爆発してしまいそうな思いが相手にはある筈だと思えば、それをもう1人我慢する必要は無いのだと言い聞かせる。感情を吐き出せる様にとさり気無く導きながら全てを聞き届けると )
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