刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 此方の思い通りに事件が起きる訳でも、此方の思い通りのタイミングで犯人が逮捕出来る訳でも無い。加えて捜査中は何があるかわからないのだから彼女の言う通り“どうしようもない”のだと理解はしているが時期が時期なだけにどうしても自戒の気持ちは消えず。「捕まえたら、出来るだけ長い時間刑務所に入れてやる。」と、権限など無いに関わらず公私混同を投げ遣りに吐き捨てて。相手の言う通り矢張りあの記事も、報道も、署員達の中では大きな塊として燻り続けて居たようだ。全員がそれらを全く信じる事無くエバンズの味方__なんて上手くはいかない事は百も承知だが、その空気に晒され続けた彼がどれ程の苦しさを抱えたかは想像出来る。思わず深く重い溜め息を吐き出し視線は下方へと落ち「…例え事実と違ったとしても、世間が警察じゃなくて遺族側の言葉を信じるのは仕方無いと思う。、思うけど……それじゃあエバンズさんは何時まで耐え続ければいいの…っ、」世間への恨み言が漏れたのは、今日で報道も何もかもがピッタリと無くなり話題が他に移るとは考え難いから。__安定剤が効きエバンズが眠りに落ちた頃、早めに仕事を終わらせたダンフォードは相手が眠る病室の前に居た。アダムス医者から数日入院をする事が決まり、相手もそれを承諾した事を聞いて正直胸を撫で下ろす。家に1人で居てまた倒れる事になったら、と思ったからだ。小さなノックの後、静かに病室の扉を開ければ真っ白のベッドの上には相変わらず酸素マスクを付けられ点滴を打たれている相手が眠っており、点滴パックの中身が安定剤だとわかれば少なからずパニックを起こした事が伺えて。__時刻は午後3時を過ぎ、正しくあの事件が起きたその時間。沢山の人の命が一瞬にして散り、セシリアもまた、命を落とした時刻。眠る相手はどんな夢を見ているのか…その正確な時間を知るものはあの時あの場所に居た相手だけで、その寝顔を見ながらダンフォードもまた、やるせない思いを抱えて )
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