刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 相手が帰ると病室はしんと静まり返る。無用な心配を掛けないようにと普段通りを装っていたものの一人になると倦怠感に抗う事なく寝返りを打ち息を吐き出して。自分の前では無理をする必要は無いと彼は言うだろうが、ただでさえ応援として余計な労力を掛けているのだ。あの記事が自分の身近な人に与える影響は大きい_____お前の部下だろうと、自分の知らない所で嫌な思いをさせている事だってあり得る。あの事件から12年。今日は至る所であの事件の報道が成され、冷酷で心無い捜査官として自分の話題が持ち上がり、そうしてあの夢を幾度と見るのだろう。---微睡んでも鮮明な悪夢によって眠りは阻害され、まともに眠る事が出来ないまま朝を迎えた。胸が締め付けられるような苦しさやフラッシュバックに襲われるのは、病院であっても変わらない。扉がノックされた時も、極浅い眠りの中に居て意識は直ぐに浮上した。特段返事をする事はなかったものの、扉へと視線を向けて。 )
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