刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 喘ぐ様だった呼吸が僅かに落ち着き、肺の奥深くまで酸素が届けばそこからは呼吸が乱れる事は無いと思うものの、次に襲い来るは大きな疲労の波か。電話越しに聞こえる音が小さな嗚咽だとわかり相手は涙を流しているのだと言う事が確信に変わる。傷付いた心を抱えたまま眠り、それも悪夢が朝までの安眠を保証しない。外に出れば眩しい程の光が記者を連れて来て、署では相変わらず相手を責める様な空気が漂う。全部嘘なのに、相手は何も悪くないのに、許されていい筈なのに、何処までもまるで呪縛の様に付き纏う“12年目”が相手を逃がす事をしない。「__身体、しんどいでしょう。お水を飲んでから一緒に眠ろう。…この携帯を繋げたまま、私が何時も眠る所に置いて。」何時しか相手の心に同調する様にして溢れ出した涙は頬を滑り止まらないのだが、拭う事もせずに優しく話し掛ける。きっと汗もかいたし喉もからからの筈だ。少しでも水分を補給した方が良いし、少しでも多く眠れる時間を確保した方が良い。時折小さく鼻を啜りながら、お泊まりをする時、自分が相手の隣で眠る時の様に携帯を傍に置いて欲しいと再び要求して )
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