刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( ほんの僅かな息の乱れからも、相手は此方の状況を瞬時に把握する事が出来たようで電話を切る事を拒む声に、通話終了ボタンを押そうとしていた手が止まる。何も話さないままに電話を繋いでおけば、それこそ相手の時間を奪う事になると思うのだが相手は今電話を切ることを良しとしないようだった。自分もまた、相手の訴えを無視して通話を終わらせる事も出来たのに、どこかに心細さがあったのだろう。視界が揺らぐような眩暈と共に感じた息が詰まるような感覚は、やがて呼吸を狂わせた。気分が悪くてソファの手すりに額を押し付けたものの、浅くしか酸素が取り込めなくなり明らかに可笑しなペースへと変わって行く。クラークの言葉や記者の声が頭に渦巻いて居るのだが、此れに取り込まれてしまえはフラッシュバックを起こす事にも繋がりかねない。「っ、はぁ…ッ、」懸命に今に意識を繋ぎ止めようとしながらスマホを持つ手に力が入り。 )
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