刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 相手にとって週刊誌の内容が真実かどうかは然程重要では無かったようで、自分の主張を勘繰るでもなく頷くと冊子はソファに放られた。記事の内容に限らずとも何かしらの形で自分を追い詰める事が出来れば満足なのだろう。今回の件で特に辛いのは、本当は同じ立場でもある自分が心無い言葉で遺族の思いを軽んじて居ると受け取られる事と、騒ぎのせいでセシリアの命日を静かに過ごす事が出来なくなるかもしれない事。心の内にずっと渦巻いている後悔をわざわざ言語化するような相手の言葉は、じんわりと、其れでも確かに心の傷を抉る。「……それは、12年が経つ今でも後悔してる事だ、」とだけ答えると「もう良いか?記者が居ないなら早く帰りたい、」と告げて。家に戻った所で眠れる訳でも無かったが、少しでも安心できる場所で身体を休めたかった。過去の事を嫌でも思い出してしまう状況に加えて気を張っている日が続いている為、肉体的にもかなりぎりぎりの状態で。 )
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