刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 極めて不服である。とばかりの表情だがフルーツは受け取って貰えた。それが本当は食べないが受け取らないと可哀想だからと言った情であっても構わない。満足そうに一度頷き自分の物になったヨーグルトを鞄から再び出せばフィルムを捲りその場で食べ始め。それは此処に居てもいいというれっきとした許可を得る事が出来たから。何を話すでも無い、けれども居なくなりはしない。この場に居られる事だけで幸せだとでも言いたげな背後に花が見えそうな笑顔で一口、また一口とヨーグルトを口に運び。__と、なかなか合う事の無かった視線が交わった。刹那、相手の瞳に懐かしさと物悲しさ…所謂寂しさの含んだ色が浮かぶ。あぁ、この色を知ってるな。そう思ったと同時に胸の奥が小さく痛み、締め付けられる様な感覚を覚えるがきっと相手は自分がどんな顔をしているか気付いていないのだろう。きっとこれはまだ踏み込んではいけない部分。時が来た時に、相手が話したくなる時に、その時に聞かせてもらおう。そう心に決めて空になったヨーグルトのパックとプラスチックのスプーンをゴミ箱に捨てつつ「エバンズさんが退院したらまたご飯に行こう。今度は奢ってって言わないから。」と他愛無い会話を持ち掛けて )
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