刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 視線の重なった相手は酷く安堵した様な、泣いてしまうのでは無いかと思う様な表情を浮かべて何度も頷いた。共にこの事件に関わっているからか、周りに見せたくない、情けの無い姿ばかりを相手に見せているような気がして自分の甘さを悔いる。スマホを取ってくれと言う要望は叶えられる事なく睨み付けられると溜息を吐いて天井を仰ぎ、程なく部屋にやって来た医師に告げられた言葉には間髪入れる事なく「不要だ」と答えて。犯人逮捕を目前に数日入院など応じられるはずが無い。「勘弁してくれ、今休む訳には行かないんだ。それに検査なら毎回薬を貰う度にしてるだろ。」と、顔馴染みの医師という事もあって聞き入れる気は無い様子。薬の事も相手には既にバレている為そこに関して隠すつもりはもうないらしい。この強情な態度は休職を打診された時も同じで、度々こうして理由を付けては逃げ回っていた。今すぐにでも署に戻りたいのだと「外してくれ、もう大丈夫だ。」と点滴の繋がっている腕を医師に差し出そうと。 )
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