刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 同行し捜査担当の刑事とバレれば事件解決までの間マスコミにも追い回される心配がある、酷く動揺し取り乱す家族を目の前にすれば苦しい気持ちにもなるだろう。それでもどうしても立ち合いたいと言うのなら無理に止める事は無いが、同行を決めたのなら途中で根を上げる事は許さないと厳しい一言。「一度遺族と相対したら途中で出るのは無理だ、不誠実な印象を与える。最後まで向き合え。マスコミには何も答えるなよ。」---結局相手を連れて教会に向かうと気付いたマスコミにカメラを向けられる。幾つも浴びせられる質問に正式な報道発表を待てとだけ答えて中に入ると、待機場所となっていた礼拝堂には4組の家族。皆一様に肩を落とし、祈りを捧げている者も居たが一斉にその視線が自分達に注がれて。それぞれの名前を確認し全員が被害者の家族である事を確認すると、ゆっくりと話し始める。被害者があなた方のお子さんであると言う事、窓の外からの銃撃でほぼ即死であったであろう事、犯人が未だ特定されて居ない事、遺体との対面は警察病院で可能だが葬儀を執り行うのは犯人逮捕まで待って貰いたいという事。最後に、自分達が必ず犯人を逮捕すると約束し。ひとつひとつを話す度に悲痛な嗚咽が礼拝堂に響き、胸を締め付けられるような気分になるのだ。その後家に戻っていた2組の家族の元を訪れ同様の話をし、夕方になってようやくその全てを終える。子を失った家族の悲しみが身体に重く纏わりついていて、お互い会話は無く。その中で、にわかに怪しい人物が家族の口から語られ、ジャックという老人が容疑者として浮上した。戻るぞ、とだけ相手に告げると暗くなりつつある車窓に視線を向けて。 )
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