刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 新たに得た情報を少し興奮した様子で報告する相手はブンブンと振られている犬の尻尾が見えるような気さえするもので、その真っ直ぐな姿に強張っていた気持ちが少し和らぐように思えてしまう。ようやく不安定だった気分が落ち着いてきたようで、いつもの調子が戻って来ては「元夫が今どこに住んでいるかにもよるが、恨みや執着心を一方的に募らせて反抗に及んだ可能性もあるな。身辺を洗ってくれ、戻ったらデータベースでも確認してみる。」と、被害者の元夫についても手帳に書き加え。一旦避難先の教会に向かい、未だその場に留まっている家族にはその場で説明を、家に戻っているのなら牧師に住所を聞き訪ねる必要があると言って。目的地が近づく頃には先ほど感じていた強い不安も幾分マシになっていて、このまま極力冷静に捜査に当たる事を誓う。「…お前は車で待ってろ。立ち会うのはまだ早い。」家族に子どもの死を宣告するのは、殺人事件の捜査に関わるようになって日が浅い上に共感性の強い相手にはまだ酷な業務だと思えば、教会の塔が見え始めた頃になって口を開き。今回は車で待機させた方が良いだろう。 )
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