路地裏事務所 2021-11-03 00:42:01 |
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>リリー
裏通りのイーストンの店かな。だとしたら、僕達は意外と気が合うのかもしれませんね
(彼女の抱えた袋には僕の行きつけのお店の名前、この辺りの古書店といえば数店が思いつくところではあるが、彼女や兄が好んで足を運びそうな場所といえば1箇所くらいなものだった。扉をそっと閉めれば、店主に片手を挙げて軽く挨拶をしつつ彼女を奥のテーブル席へ案内するように掌を向けて)
いつものチョコレートと、あと___茶葉はお任せするよ、いつもあなたの選んだものは美味しいから。さあ、こちらにどうぞ、ヴィルデローゼさん
>アイザック
ご存知の通り、僕は絹織物には興味が無いですよ兄様。もちろん善し悪しは分かりますが、服の善し悪しを決めるのはテーラーの仕事だ。…僕は、彼らがこの場に来る時の足元にしか興味が無い
(その通り。言葉にはしないものの、兄の顔に一瞬浮かんだ思案顔に嫌になるほど僕らは思考回路が似ているらしいと思い知る。僕はテーラーの技術に興味はあるが、服そのもののデザインには興味が無い。僕らに生地を納めに来る彼らの、その生地には興味が無いが…土のついた靴、泥跳ねのあるズボン、どれほどの距離をどのようにして僕らの元に来てくれたのか…それには興味がある。商品の価値はお父様や兄様が決めるのだろう。ならば僕は____立ち上がった僕に兄様が掛けた言葉は、少なからず予想の範囲とはいえ邪険に拒否する権利は僕にはない。困ったように笑いながら、再び椅子に腰を下ろしてテーブルに頬杖をついては)
分かっていて聞きましたね?意地が悪いじゃありませんか___今日くらいは大人しくしておきましょう。兄様の顔を立てるのも、弟である僕の仕事です
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