路地裏事務所 2021-11-03 00:42:01 |
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>リリー
おや、ここでお会いするとは思ってもみませんでした…そうだ、折角ですし僕とお茶でもいかがです?この辺りは少し詳しいのです、
(いつも通り目立たない場所で馬車を降り、徒歩で裏路地へ向かう途中、聞き覚えのある声に歩みを止めて、振り向いた。僕より高い背と鋭い光を放つ瞳…ああ彼女か。にっこり笑みを浮かべて、貴族の次男らしく踵を揃えて片手を胸元に。彼女の手に抱えられた袋は僕も贔屓にしているチョコレート店のものだ。屋敷から街に出掛けるにはまだ時間が早い…仕事前か、今からあの屋敷へ行くのだろう。あの居心地の悪い貴族の家へ…お兄様の足を引っ張るわけではないが、お兄様が傍に置く彼女には興味がある。慣れたようにお茶に誘いながら僕はうっそりと目元を歪め)
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