トラノコ 2021-10-09 01:38:13 |
通報 |
サンジ
おれがスプーンを近づけると最初は躊躇いがちだったものの回数を重ねるうちにそれは消えていき、かぶりつく様子はまるで猛獣を餌付けしている気分になる。まさか野郎相手にこんなことをするとは夢にも思わなかったが差し出したメシがゾロの口の中に消えて立派な喉仏が上下に動き、落ちていくまでをじっと見つめていると改めておれが作った料理をおれが食わせてゾロを満たしているんだと、そんな実感から充足感を得てサンジを満たしていくのだ。口元に持っていって、ゾロが合わせて口を開ける。それだけだがかわいい、思わずにやけちまった。ゾロが酒を飲みたいという動作を機微に汲み取ってスプーンの手を止めては何をするでもなくゾロの姿をただ眺める。恋人になってから今までのことを思えばこれは相当大きな進歩だろう。悪くねェ時間だ。たぶん、抑えきれていない幸せオーラというか機嫌がいいのがダダ漏れのような気もするが表情を緩めたままで、ここに入ってきたときから思っていたことを口にする
「つーか、せっかく約束までした2人きりの時間だぜ?服くらい着てこいよ」
トピック検索 |