トラノコ 2021-10-09 01:38:13 |
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サンジ
この気持ちを自覚した時は、まさかと頭を抱えたもんだが気がついてからというもの、ふとした瞬間にじんわり心が温かくなって口元が緩んでいることが多くなっているのだから相当惚れているのだと突きつけられてまた肩を落とした。このおれが美しい女性ではなく男に…しかもクルーの中でも気に食わない剣士、ロロノア・ゾロに恋をするなど。葛藤も随分あった、しかし納得する面も確かにあって珍しく二人で酒を酌み交わしながら、ほろ酔い状態でなんでもないけどそういえば。みたいなノリで「おれさ、テメェのこと好きみてェだわ。」とサラッと告白したのだ。そうしたら意外なことにOKの答えをもらってそれは驚いたものだ。
そんなこともあってゾロとは恋人ということに一応なっている。そしてその"一応"というのもゾロと恋人らしいことなど何ひとつしたことがない。もとより喧嘩ばかりの関係だ、簡単に良い雰囲気になれるわけもなく二人きりになれば口喧嘩ということを繰り返していた。
ある日のお昼時、皆をダイニングに呼び集めてから眠っていて現れない恋人を起こしに来たところだ。食いっぱぐれないように親切にわざわざメシを持ってきてやって、だ。傍らに立ち、つま先で横腹を軽く小突いて不機嫌そうな声色で起こす。
「オイ、クソ剣士。メシだ 起きろ」
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