世界の偽神 2021-07-11 18:36:21 |
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>>宮野さん
体育倉庫の中から聞こえましたね。俺も一緒に行きます。先輩、お気をつけて。
(物音が聞こえてきた体育倉庫の扉を一瞥すると、相手に目配せして。左手で刀の鞘を強く握り締め、すぐにでも抜刀できるようにと柄に右手をかけて、自分も警戒態勢に入り。しかし、自分たちが調べる前にゆっくりと体育倉庫の扉が開いて。その中から、黒髪の男子生徒がそっと顔を出すなり、相手の構えている短刀を見て甲高い悲鳴を上げ。すると男子生徒は腰を抜かしたらしく、ぺたんと尻もちをつきながら、「ひぃぃ! こここ殺される!」と錯乱状態に陥り泣き出して)
>>不二くん
わかった、帝国大学附属病院だね。面会……あ、そっか。
不二くんのお父さんのお見舞いを口実にすれば、怪しまれずに病院内を探索できそうだね。ありがとう、さっそく行ってみるよ。
(病院の名前さえわかれば、スマホのインターネットでルート検索は容易いだろうと頷いてみせ。面会時間を確認してもらうと少し不思議そうにしていたが、突如閃いたとばかりにあっと声を出して。何の用件もなく病院内をうろつくよりは、お見舞いで訪れたことにするほうが自分にとって遥かに都合が良く。相手に礼を告げると、ふと顔色を窺うように「不二くんは行かなくても平気? 俺一人でお見舞いに行ったら、お父さんは嫌がらないかな?」と不安げに声のトーンを落として)
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