人々は彼をこう呼んだ。
100年も昔、城と共に燃えてしまった「煤塗れの王」と。
"よく霧が立ち込める森の奥深く、街の人間さえも近寄らないその場所に、街からも天辺が見えるほどの大きなお城があった。
例え晴れの日でもその城の周辺はいつも薄暗く、その城への道のりは深い霧に満ちており、まるで全ての来客を拒んでいるかのようだ、と。
そうあれは、あの黒い城は、一人ぼっちで我々を恨んでいる城主の心を映したものなのだと、ある老人は言った。
城主が今生きているのか死んでしまったのかも分からない、それを確かめにいく勇気すら、いやそんな権利さえわれらには無いのだと。
遠くから見えたそのお城は、何処か寂しそうで。"
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