「……ああ、いらっしゃい。」
気だるげな声と共に僅かに開いた戸の隙間から
ずるりと、白い骸骨の右腕が伸びる。
扉の前の客人が腰を抜かして尻餅をつくと戸が開き、笑い声と共に驚くほどの美貌が姿を見せる。
「…んふふ、驚かせてしもてすんませんなぁ。
ほら、入って入って。」
戸の中には奥の座敷と駄菓子が並ぶ棚、箱。
座敷に座り、算盤を弾きながら帳簿を付けている大量の包帯を巻き付けた青年が顔だけを上げ、
「……またですか?胡蝶の旦那。気安くヒトを入れるなとあれほど……」憎たらしい口調で苦言を漏らすが美貌の男はそれを気にする様子もなく笑う。
「…さ、龍は放っといて…いらっしゃい。」
ー貴方も彼等の住む不思議な世界へー
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