管理人。 2021-01-29 15:12:00 |
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>22 睡
( メダルを追い掛けていった來を見送って、数回ゲームで景品を撃ち落として。気付いたら手元に残ったメダルは少なくなってきていたようだった。來が来たらもう少しメダルゲームで遊んでから、他のゲームへと移ろうか。UFOキャッチャーも良いけれど、たまにはまったく違うこともしてみたい。太鼓を叩くのも良いかもしれない。そんなふわふわとした思考を止めたのは、待ち人とは違う知り合いの声だった。「……睡?睡だ、久し振り」振り返ってふんわりとした髪が揺れるのを見て、自然と声色も明るいものへと変化する。こうも偶然というものは重なるだろうか。気紛れで足を伸ばしたショッピングモールで知り合い二人に、しかも別行動をしているところで遭遇する確率は低いものであろう。憎しみの感情、感謝の思い。それらを聞いたところで会うとどんな顔をしたら良いのかわからなくなりそうではあったけれど、喜びがもやもやを上回るから単純だ。難しいことを考えるのは得意ではない。だったら本能のままに動くのが吉。きっとそれで良いだろう。「睡も遊んでいく?」ゲームセンター特有の喧騒の中、メダルの少量入った器を手にして問い掛ける。見たところ探し物があるようだから、引き留めるのは悪いかもしれないけれど。断られたらそのときはちゃんと見送るつもりで、ゆるゆると首を傾げてみて )
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