魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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(強引に布団へ入れたが直ぐに相手は目を閉じ眠りへ誘われたようだ。憎らしいほど穏やかに微笑んで眠る様をみると、こいつと一緒にベッドに入ってこの寝顔を間近で見れる人間は幸せだろうなと思う。先程一緒しか触れられなかったが、あの体温を抱えながら眠るのはさぞかし寝心地がいいだろう。まだこうして寝顔を見ていたい気持ちはあったが、このまま突っ立っているのは不自然で、名残惜しい気持ちを抱えて部屋を出る。間借りしている自室へ戻ると机の中に閉まっておいたストラップを手に取りベッドへ寝転がる。灰色にピンクのラインが入った組紐、優しくて笑顔が柔らかくて、しかしどこか凛としていて、時折眩しい件の人間を思い出させた。手の中にあるそれをぼんやり眺めるうちに次第に眠りに入っていって、手の中に彼の分身を収めたまま寝息を立て始め。)
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