魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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ただいまソウゴ……やはりクジゴジ堂はこの姿でないとな。
(こちらの腕に手が重ねられる。その手つきだけで相手の感情や想いが伝わって来るようで相手が見えないのをいい事に、相手がするように緩く笑みを浮かべる。先程の夜景の興奮とこの喜びで胸はドクドクと鼓動しているが心は不思議と穏やかだ。これも相手の運転に任せておいても良い方向にしか行かないと確信しているからだろうか。しばらくして見慣れた道へと戻ってくると、見慣れた建物が目の前に現れる。クジゴジ堂、喫茶店ではない、人の良い大叔父が様々な機械の修理を受け付けてしまう時計屋だ。おかえりの声にただいまと答える、昨日の晩までここに居たはずなのに酷く懐かしいようにも思える場所だ。もう目を覚ました時に見知らぬ部屋にいるなんてごめんだ。扉をくぐるとまたいつものように大叔父が「おかえりー」と優しい声で迎えてくれる。そちらにも「ただいま」と返せるのが嬉しい、今はもう喫茶店の常連ではなくてこの家の住人なのだがら。様々な時計が忙しなく動く壁を見回しながらやはりこの時間軸が1番だと零し)
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