魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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___この場所で花火を見るのは2回目だな。
(相手の言葉に頷く。分かりきっている事でも改めて言葉で聞くとその響きは胸に優しく広がる。この選択は間違っていなかったと、何度でも愛しい人に手を伸ばしていいのだと、ずっと隣に居られるのだと、様々な思いを肯定していくれる。今回の選択は間違いなく険しい道を選んでしまうものだった。これからも敵はやってくるし今回のように仲を裂こうとする奴も出てくるかもしれない。そうだとしても自分は何度でもこの選択をするだろう、ただ相手と一緒に居るために。そしてきっと相手も同じことをしてくれる、こちらが次元の狭間に巻き込まれたって救い出してくれるだろう。お互いにお互いを諦めない、そう確信を持って思うことができた。周囲が暗くなり一瞬身構える、しかし相手の指に従って空を見上げるとそこにはあの時と同じ花火があがっていた。あの日に初めてみた花火、そして人生2度目の花火も相手と見ることができた。花火を見上げたまま呟くように声をかける。またひとつ相手との思い出が増えたと同時、数少ない2回見たものが増えたのだ。次々に夜空を彩る花火をじっと眺めていて)
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