魔王 2020-11-10 20:05:51 |
通報 |
っ、……ソウゴ……ソウゴっ!やっと目を覚ましたか?
(こちらに向けられた目を見た時に全てを理解した。あそこにいるのはごく普通の高校生常磐ソウゴじゃない。未来からやってきて出会い、ゲームセンターやショッピングモール、そしてこの遊園地に行った大切な恋人だ。勢いのまま飛びついて来た相手を抱き止める。たった半日ほどこの手を離れていただけなのに長く消えてしまっていたかのように懐かしい。そしてやはりこの感触は何物にも代え難い、たったひとつ大切なものだ。その存在を確かめるようにこちらからも強く相手の体を抱きしめ返す。じんわりと相手の体温が伝わってきてこちらの胸に広がると安堵が胸に満ち溢れて、やっとこの悪夢が終わったのだと思えた。ゆっくり吐き出す息が震える、もう相手から他人を見るような目を向けられることもない、自分と相手が恋人なのだと口にすることも許される。相手の後頭部に手を添えて首元に顔を埋めて改めて名前を呼んだ。感情が込み上げて溢れそうになったのをギリギリで耐えると顔を上げて互いの顔が見えるようにする。愛しい恋人の目を見つめながら、笑顔を見せるとからかうようにそう問いかけ)
トピック検索 |