魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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……なんでもない。あれは何度見ても大きいな…、おいはしゃぐな。これから敵と鉢合わせるかもしれないんだぞ。
(夕暮れに差し掛かった道をバイクで走る。あの時は帰りの夜道を走ったが、今日はその時とはまた違う風景で、不本意ながら違う関係だ。背中に暖かな相手の体温を感じるとまた誘惑に負けそうになる。記憶を違えてしまってと常磐ソウゴと居れるのならば良いんじゃないかと、これ以上相手に悲しい顔をさせる必要はないんじゃないかと心が揺れ動いた。軽く息を吐く、迷いを振り払うようにアクセルを吹かした。やがて遊園地に近づいてくると真っ先に見えてきたのは観覧車だった。この時代に居ることを決め、王の隣に居ることを決めた場所。今でも日を背負い輝く王たる相手の姿を覚えている。そんな思い出に浸っているというのに当の本人は興奮気味にこちらを叩いていて、窘めるように後ろへ声をかけた。あの日電車を降りて遊園地に訪れた時もアトラクションにキラキラとした目を向けていた、やはり本質は変わらないと相手に見えないところで苦笑しながら遊園地のゲートをくぐった。バイクを止め入口の方を見やる。騒がしい音が聞こえないところをみるにまだ敵は暴れだしていないようだ。ウォズが絡んでいるのは厄介だが相手の言うことなら聞くだろうか、とはいえ記憶を無くしている状態でどこまで奴を説得できるかは分からない。ひとまずは遊園地内に入ってみるしかないだろうと入口ゲートへ行こうと合図を送り)
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