魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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ジロジロ見るな、見世物じゃな……おいっ
(風呂に浸かっている間、頭の中はソウゴのことでいっぱいだっだ。自分の時代にいた魔王ではなく、今この時間にいるあいつ。ちょっとしたことで笑って、こちらを包み込んでしまうような優しさがあって、拒絶してもすんなり隣へやってくる。本当にあの男が世界を滅ぼすのだろうか、人々を苦しめるのだろうか、自分の仲間を殺すのだろうか。思考は相変わらず決着が付かずじまいで、廊下を歩いているときもそれは変わらなかった。そして思考の真ん中にいる人物が目の前にいきなり現れると目を軽く開く。胸が驚きとは違う意味で鼓動を打ったのは心に秘めておくことにする。風呂上がりの姿など隙だらけの姿を見られバツの悪そうな顔をしていると、断る暇なく相手の部屋へ連れていかれる。手を繋ぐことに抵抗がなくなってきている自分に少々驚きと焦りとを感じていた。)
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