魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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ふん、やれるものならやってみろ。俺は絶対に腑抜けた顔はしないからな。……、俺も礼儀くらいはわきまえている。
(少なくともこいつのようにヘラヘラ笑うなんて、そんな姿自分でも想像できない。だが頬をつつかれるのは悪い気がしないような、恥ずかしような、こそばゆい心境だ。どちらにせよ魔王の手の内で転がるのはごめんだ、挑発的な言葉と自信たっぷりの笑みを見せて、結局はこちらも子供のように応戦しており。小さな礼のあとにチラリと隣を見るとそこには明るい笑みがあって、ドクとまた心臓が脈打つ。こいつの笑みは何度見ても何故だが心臓が高鳴る、目を奪われるのが不思議でならない。だがあの腕を負傷して消え入るような笑みを見るよりか遥かにマシだ。出来ることなら、いつでも今の笑顔であって欲しいと心の隅で願っていた。夕暮れの道をいき、やがてクジゴジ堂にたどり着く。おかえりの声とともに出てきた店主は案の定相手の腕を見て目をまん丸くする。階段から落ちたと簡単に説明し、相手にも帳尻を合わせるようにと愛で合図して)
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