魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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ジオウ…!、俺が不甲斐ないせいで……すぐに手当てする、だから喋るな。
(この時代にきてこいつの事をもっと知りたいと願ったばかりだったのに、それが叶わずに終わるなんて、こいつがいなくなるなんて、そんな結末で終わりたくない。焦りで呼吸の仕方も忘れていたが、辛うじて名前を呼ばれると震える呼吸が口から漏れる。こちらが相手の死を恐れ焦りしているのに、こいつと来たらまた微笑みを浮かべていて息がつまりそうになったが、大きく息を吐き出して張り詰めた体を解していけばようやくまともに息ができるようになった。負傷したのは右腕だけ、すぐに手当すれば命に別状はないはずだ。端末を取り出すとツクヨミへ連絡をとる。彼女も外へ出ていたようだ、ソウゴが怪我をしたこと、そしてすぐに手当てを手伝って欲しい旨を伝えると、近くの公園で落ち合おうと決めて通話を切った。苦しげな表情を見下ろす。この状況を作ったのは間違いなく自分のせいだ。救助に夢中で敵の攻撃に気がつくのが遅れた。それで自分が怪我をするなら自業自得だが、まさか庇いに来るなんて。相手を支える腕に力が入る、すぐにこの痛みを取ってやるからと心に誓う。反省はあとだ、まずはこいつの手当をしなければ。腕に重力がかからないよう右腕を体の上に乗せてやると、横抱きの形で抱き上げる。そのまま振動を与えないよう慎重に歩き出し、ツクヨミとの合流地点へ向かい)
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